お墓の継承者がいないときは

戦前の民法ではお墓は長男が継承し、家墓に入るのは長男夫婦だけとなっていました。現在でも、そのようなイメージは強く残っていますが、現行の民法では、墓地の使用者が指定すれば、子や親族でなくてもお墓の承継者にすることができます。子供がいないからといって、すぐにお墓の承継をあきらめる必要はありません。承継者の指定は書面でなくても、口頭でもよいとされていますが、トラブルを避けるためにも、遺言書などの文書を残しておいたほうが無難であると言えます。もちろん承継する当人や、周囲の了承を得ておかなければなりませんし、その後のことまでしっかりと話し合っておくことが何より重要です。なお、血縁者でないなど、墓地が定めている承継者の範囲から外れてしまっている場合もあります。このときには、墓地の管理者にあらかじめその旨を伝えておき、了解を得ることが大切です。

お墓の承継は、結婚・改姓した娘でも承継することができます。ただ、姓の違いや宗派の違い、菩提寺との関係などが問題になることもありますので、墓地の管理者に事前に相談しておくことがポイントになります。実家の墓を承継した場合、改葬して、姓が2つ並んで刻まれた両家墓を建立するのも1つの方法です。姓だけではなく、名号や題目、好きな言葉などを刻む場合もあります。また、敷地に2基の墓石を並べて建てるという形もあります。子や親族がなく、承継者がいない場合、無縁墓になるのを避けるためには、永代供養墓や、共同の供養墓に改葬する方法もあります。また、管理料を数十年分まとめて支払うことで、その期間の供養を依頼できる場合もあります。無縁墓と見なされるのは、お墓に承継者がいなくなったり、承継者が支払いを怠ったりして管理料が支払われなくなったときです。もちろんすぐに無縁墓にされるわけではなく、例えば『3年以上管理料を滞納した場合は使用権を取り消す』というように、それぞれの墓地で使用規則を設けています。無縁墓とされたお墓の遺骨は、墓地の管理者によって取り出されて、その墓地内の供養塔などに納められ、ほかの無縁仏と一緒に合祀されます。

墓石も撤去されます。ちなみに、改葬などで既存のお墓が必要なくなった場合には、遺骨を取り出したあと、墓地を所有者に返すことになります。墓地使用権を返還するということになります。その際、いったん支払った永代使用料は返還されないことがほとんどですので、この点は事前に把握しておく必要があります。いずれにしましても、お寺や墓地の管理者に早めに相談をして、より良い方法を見つけていくことが大切です。

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